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同人誌解体新書

2019年7月23日
7:30 PM - 9:00 PM

Speaker:
遠藤諭 他

同人誌解体新書

コミケはもはや何も言わなくても分かるぐらいメジャーなイベント。

行ったことがある人はもちろん、いつか行ってみたいと興味津々の方も多いのではないでしょうか?

そこで皆さんが購入するものといえば、同人誌!!

コミケの歴史の深さ同様、その歴史だけ同人誌も多種多様なジャンルが生まれました。

でも、ふと思うわけです。コミケって、同人誌即売会ってどうやって行ったらいいんだろう、どうやって参加したらいいんだろう、なんか資格とか条件とかあるんだろうか、どういうものが同人誌ってことなんだろう、同人誌って作るのが難しいんじゃないか、どんな特色があればいいんだろうか……いろいろ難しいんじゃないか、と。

そこで、今回のツブヤ大学では同人誌に見識の深い皆さまに出演いただき、

奥深い同人誌の世界の話はもちろん、実際にどのぐらい同人誌を作るのが簡単なのか、

どうすればコミケに参加出来るのか。他にどんなジャンルの同人誌マーケットがあるのか。など

ざっくばらんにクロストークしながら、濃厚な話をお届けする予定です!

<出演者、遠藤さんからのコメント>

 この企画が持ち上がったきっかけは、私は、森永さんと仕事でおつきあいがありってそこから始まっています。とある研究会のようなものが立ち上がりつつあるんですが、「Aというコンテンツのファン」と「Bというコンテンツのファン」のお金の使い方比較みたいな話になった。そこで、森永さんが、

 「同人誌即売会に出入りする人(売り子も、買い子も)変化してるんですよ」という話をふってきた。聞けば、私の知らなかったデータ系の即売会やらそういうものを回す興味深い(そういう生態系の変化をいち早く察知してビジネスにしている)会社も出てきている。メモを見ると「最近、同人誌即売会に対する興味が前よりもフラットになっている」とも指摘されていた。

「もはや同人誌誰でも作れるぞ!」

 といういう発言もされている。たしかに、私のまわりには大手家電メーカーで録画機を作られているのに、そこから発生する知見を同人誌にしてコミケに出ているという10年前の一部上場企業ではありえなかった活動をされている方もおられる(その方はそのスジでは“神”と呼ばれている方なので特別なのですが)。

 そして、ここ数年の同人誌の世界で驚かされたことといえば、「技術書典」があります。ここでも、同人誌即売会といいながら出版社やなだたるテクノロジー系IT企業がブースを構えている。そのことについては、「「本」を読まないエンジニアはたぶん進化しないと思う」(https://ascii.jp/elem/000/001/225/1225444/)と紹介させてもらったのですが。以下、少し引用。

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彼ら(日高氏のやっているTechBoosterというサークル)自身の『技術書をかこう! ~はじめてのRe:VIEW~』という同人誌にすこし見える(Re:VIEWというのはEPUB等を生成するツールでこれも技術書である)。

 その“はじめに”を読むと、「世の中には、いろいろな種類・性質の技術書がもっと溢れてほしい」と書き出されており、ここが重要なのだが「ブログでいいじゃないか、という声もあるかと思いますが、筆者の考えは違います。ブログは書きたいことを書き、分かる人だけ分かればよい、というメディアだと考えます。一方、本とはひとつのテーマについて、頭からお尻までわかりやすく理解できるよう設計しパッケージ化したものです。

 また、かかわる人も2人以上とし、レビューや推敲を繰り返すことで品質や嘘のなさを積み重ねていきます。この考え方に従うのであれば、本とは《作り方》を指すのであり、紙という物理的な形式を取る必要もないのです」とある。

 これって、「なぜ同人誌」を作るのか? というとても本質的なところに通ずる文章だと思う。そして、おせっかいにも誤解をおそれずに、この先を追加させてもらえば、本とは《作らない手はない》ものなのだ。本というのは、思考におけるバーチャルリアリティともいうべき装置で、著者の頭の中を“追体験”できることに最大の価値がある。それに対してブログは、いわば外化されたしゃべりの記録といったところである(それはそれで大いに意味もあるが)。

 だからこそ、プログラミングに限らず新しいことに踏み出して世界をひろげられるプログラマは、いまでも本を漁って読んでいる(著者の脳をコピーしている)。つまり、技術書典が教えてくれているのは、同人誌とか技術書というところの議論ではなく、“本が人に対して何ができるか”という話なのだ。
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 もっとも、これは森永さんのいう「同人誌即売会に出入りする人(売り子も、買い子も)変化してるんですよ」ということに関しては、その代表的なウェーブ(コンピューター技術書が同人誌と相性がよい=同じようなコンセプトの即売会も立ち上がっている!)の1つに触れたに過ぎないといえる。

 似たことは、たとえば東京文化資源会議というもともと内閣府や国土交通省や民間研究機関なんかの関係者が集っている組織が「夏コミに当選しましたー!」などとやっていたりするのを見てもわかる。

 ひょっとしたら、同人誌が日本というものを動かしかねない!?

 というのが、今回の登壇者の心の底に少しウズウズしていることかもしれない。まさに、「もはや同人誌誰でも作れるぞ!」の世界なので、

・じゃ同人誌っていまどきどうやって作るの?
・本屋にもリトルマガジンというそれに毛の生えたやつもあって楽しいそうだけど何が違うの?
・この先なにができそうなの?

 というあたりが、とても楽しそうになっているのでいろいろ持ちネタを出し合いましょうというわけなのだ。

 もちろん、先に触れたように技術書典は一部であって(しかし今回はじめてその全貌が語られる!)、森永さんが実践されてるよりエンターテインメント寄りなしかし底がどこにあるのか分からない世界もある。

 個人的には、書店やアマゾンで流通させるのに必要なISBNコードの取得などが昔より10倍たやすくなった。Kickstarterで、本は、規模こそ音楽やフィルムやデジタルよりだいぶ小さいが非英語圏の本が、結果的に世界で20言語版が出版されるようになった例があるなんて話もしたいと思う。

夏コミ前に同人誌からちょっと踏み込んだお話っはいかが?

(遠藤諭)

出演者

speaker
遠藤諭
角川アスキー総合研究所主席研究員

元『月刊アスキー』編集長。80年代に伝説的といえる『東京おとなクラブ』を創刊。コミケや書店直取引から出版社取締役までを経験。面陳・平台よりも棚ざし、AB判・A4変形より正A5判、不定期刊行物をこよなく愛するリトルマガジンウォッチャー。2018年雑誌ではないが自身のKickstarterプロジェクトで目標額を達成。『カレー語辞典』に名前で項目がたつカレー通。

speaker
森永真弓
サークル「超山椒魚」運営主

趣味と仕事が渾然一体の生活を送る、オタクが注目するものに興味津々のオタクオタク。10代でのコミケ参加、社会人後の休眠期間を経て、情報評論ジャンルを中心に同人活動を10年ほど継続中。発行物は「明らかにこれは仕事ではなさそうだ」と判断した、コラムと形態素解析レポートを悪魔合体させたものや、ペンギングッズの制作が中心。

speaker
日高 正博
技術書典主宰

執筆活動がこうじて技術書イベントを立ち上げ、最近は1万人超が参加し、13万冊が流通している。またAndroid開発者カンファレンスDroidKaigi主催者でもあり、エンジニアリングとコミュニティ活動に熱心。

【日時】7月23日(火)19時30分スタート(19時 開場)21時00分ごろ終了予定
【定員】30名
ー参加費ー

※当日のキャンセルは受付けられませんので、予めご了承ください。

※ドリンクは店内で購入いただけます。

<開催場所:喫茶ランドリー>

東京都墨田区千歳2丁目6−9 イマケンビル1F